つる考
江戸川岸辺 10m位ある柳の大木に留まるアオサギ。(6月)
アオサギは関東近県では木に留まる鳥で最大と言われている。
ツルは当地に居ない為今回はアオサギは代役である。
またツルは木に留まらない。
落語には物知りのご隠居が出てきて八ッツァン、熊さんがその言葉に感心して同僚にご隠居から聞いた話をして物知りをえばろうとする噺がある。
隠居の話の通り真似できれば物知りになれるのだが確実に覚えてないからおかしなことになる。
「子誉め」「道灌」「青菜」「つる」etcがある。
青菜では植木屋が仕事の後で「直し」で「一杯どうかね」と誘われる。「直し」とは夏に冷やして飲む酒で焼酎を味醂で割ったもの。ご馳走になって最後に口直しに「青菜でもどうかね」と主人に勧められ「じゃぁ頂きます」てぇ~と奥様が「鞍馬の山から九郎判官が参りまして(喰ろうてなくなってしまったの隠語としてその家で使っている)」と言うと旦那が「じゃぁ~義経(だすのはよしとけの隠語)にしておけ」と言って植木屋に生憎青菜は無いので勘弁しておくれで一段落する。
これを家に帰って友達にそのまま真似をして物知り顔をしようとするがかみさんが「鞍馬の山から九郎判官義経が参って」とやってしまう。すると結論を言われてしまった植木屋は「弁慶にしておけ」と言う締りの無い話になってしまう。
隠居の博学も苦しいものが多くナンセンスに徹底するものもある。
「つる」
鶴は昔、首なが鳥とよばれた。其れが鶴と呼ばれるようになったのは老人が海辺で唐土(もろこし)のほうを見ていたらオスの首なが鳥が「つーっ」と飛んできて松ノ木に留まり、後からメスの首なが鳥が「るーっ」と飛んできて同じ松ノ木に留まったから「つーる」に成ったのだという。
之を真似しようとするのだが「つーっる」と飛んできてとか「つるーと」飛んできてとか落ちを付けられない噺もあるがくだらない穿鑿をすれば鶴は木には留まれないのである。
この記事へのコメント
正月は顔見世なのでいつもの倍くらいの人数の噺家がとっかえひっかえ出てきますから、噺そのものは短くて挨拶代わり。でも独特の雰囲気がいいです。
小生は正月は街に出た事はありません。もっとも数年前までは
元旦しか休みがなかったので・・・。
お城に上がった娘の名は“つる”だったかな。『夕鶴』の“つう”も正しくは“つる”だったような……当方も隠居の身。師走というのに、朝から「鳥とめない」ことを考えています。
飛びながらシワガレ声で鳴くときは天から親父に叱られている感じがします。
落語のお話をしてくださいますね。
私はブログの落語しか知りませんのよ・・・
ツルは木に留まらないのですか?へぇ~~~~?
saheiziさんの様に広い視野はもてません。しかし中学時代ラジオで
聞いた落語が懐かしく近所さん等の脅迫で始めたITのおかげで落語と
再開できて嬉しいです。